『Soutarrainの風景』
1962年 24×50.5cm EA アクアチント ディープ・エッチ
究極の色彩ともいえる「白と黒」を追求した作品。駒井自身が摺りの完璧と認めたものにサインしている稀少枚数のEA版です。この作品は、銅版画がもつ重層的な時間の経過を表現し、幻想的な風景を創りだしている。翌年の1963年日本版画協会第31回展出品「星座」に繋がる作品です。
没後30年
駒井哲郎 銅版画展

2006.8/8.tue-8/27.sun 月曜休廊 11:00-19:00(日曜17:00)
  銅版画の詩人と謳われ、1951年第一回サンパウロ・ビエンナーレで受賞や1953年浜口陽三らと日本銅版画協会結成するなど数々の功績を残した、現代版画のパイオニア的存在である駒井哲郎が没して30年になります。
 駒井哲郎が残した作品はその瑞々しい感性によって私たちを魅了し続け、音楽家や詩人、現代美術家にまで、今も多大な影響を与え続けています。(※1)
 
駒井銅版画に最初に感じるのは、マチエールを徹底的に追求した卓越した技法の作品としてだけではなく、表現したいモノの内奥にある声を確かに伝える作家のポエジーの魅力であり、それは底なしの漆黒の闇から澄んだ瞳で見つめられているかのような深い純度に魅了される。 
白と黒の宇宙に浸っていただける作品約20点余を展示します。
また詩画集や関連図書なども展示。近畿では開催される事が少ない駒井作品展をぜひこの機会にご高覧願います。


※1)
2006年 精力的にオブジェ、写真、銅版画を発表している北川健次が、最近ますます駒井作品の質を注視し、作品作りをしていると語る。
1971年刊行 谷崎潤一郎賞受賞の埴谷雄高作「闇の中の黒い馬」にエッチング2点、挿絵19点を作成(今回の展覧会に出展)、金子光晴、丸山薫などいまも読み継がれる詩集に作品を制作。

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