「三色スミレ」
〜日常の静物〜
小澤 一正展
2005.12/3.sat-12/27.tue 日・祝休廊 11:00-19:00(最終日16:00)
小澤さんの作品は「日常の静物」というタイトルをつけられることが多い。
 その作品達にはいずれも超細密・写実に徹した果物や花たちが描かれている、しかもそれらがのっているテーブル・クロスなどは他に見られない迫真の表現である。
リアリズム描写の静物たちに比べ、バックの空間は光の微妙な反射や空気を伝えながら神秘的な雰囲気を表す。ドーム形の漆黒の夜空の上方に金拍を貼ってある作品などは中世ヨーロッパの祭壇画を意識し、あたかもこの絵が神の供え物という趣きである。リンゴやプラムが空中にヒョイと浮遊している光景は、
日常のなかのゆらめき、この時代の不安・現在をつたえている。
 小澤さんの油彩画は、薄塗りを丹念に重ねて筆触を消し、陶器のようななめらかな絵肌に仕上げる。確かな表現力を持つこの作家が新しいリアリティーを絵画空間にどう展開しているかをご高覧ください。

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