−絶望する自由− 小池結衣 銅版画 展
作家が永年考えを深めた作品に文豪たちの絶望名言が寄り添う
朝日新聞ほかに紹介されたため、この時期なのにご来場下さる人は多い。
Y art gallery online shopにて小池さんの作品を紹介しています。ご覧ください。
朝日新聞 2020年3月5日 大阪 TOWN欄
(ホームページ転載承認済)
失恋したときには失恋ソングが心にしみるように、
絶望したときには絶望の言葉が心にしみると思っています。
もちろん、言葉だけではありません。音楽、絵、あらゆる芸術は、
生きることが困難になったときのための「命綱」として存在すると思っています。
ここにまた、そうした命綱のひとつが現れてくれました。
小池結衣さんの銅版画に、私はとても深い感銘を受けました。
頭木 弘樹
文学紹介者、 翻訳家 編著書「絶望名言、絶望名言 2」他
絶望する自由 - 小池 結衣 銅版画展
2020.3.3(火)-14(土)
11:00-19:00
(最終日は17:00迄)
3/8(日)・9(月)休廊
「悲しむな」という言葉は、
場合によっては
その悲しみに対する
過小評価でしかありません。
人の悲しみの深さは、
本人以外にわかるものでしょうか。
人は、悲しい時には、
悲しむ権利があるはずです。
絶望する自由。
頭木弘樹さんの編著書「絶望名言」の
言葉とともに、
この展の銅版画をご覧ください。
小池結衣
この企画は、小池結衣さんがNHK ラジオ深夜便の「絶望名言」というコーナーを再現した書籍を
読まれた事から始まりました。(制作は頭木弘樹さんと深夜便制作班。2015年12月から現在放送
継続中) 文学者の絶望名言を追体験し、作家は自身の絶望感を現した作品を見つめ直し企画展
としました。
「絶望」
97×115mm メゾチント
無能、あらゆる点で、しかも完璧に。
(カフカ/日記)
「からっぽ」
140×171mm メゾチント
将来にむかって歩くことは、
ぼくにはできません。将来にむかって
つまづくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、
倒れたままでいることです。
(カフカ/フェリーツェへの手紙)
「赦されない扉」
207×124mm メゾチント
絶望することができない者は、生きるに値しない。
(ゲーテ/詩 格言風に)
「道の先」
96×95mm メゾチント
僕の場合はただぼんやりした不安である。
何か僕の将来に対する
ただぼんやりした不安である。
(芥川龍之介/友人に残した遺書)
「穴」
205×125mm メゾチント
2020年 最新作
まったく人間というやつはなんという厄介な苦悩を
背負い込んでいかなければならないもんなんだろう!
(ドストエフスキー/創作ノート)