田部光子

Mitsuko Tabe Treasure Box 

COSMO 視覚と内なる光 展 にて展示中


COSMO 視覚と内なる光 展

2010年 5月14日(金)−5月23日(日)11時~19時 (日曜は17:00迄 月曜休)


 作家が創造する「宇宙」をかたちにした作品を展示します。
果てしなく広がる世界をとらえ、作家は様々な技法で紡いでいきます。
 銅版画のパイオニアと言われる駒井哲郎さん(1920−1976)の1973年の作「ピケの残像」と武田史子さん(1963− )の2004年の作「おちてきた星」は制作年に30年の隔たりが在りますが、白と黒の造形に純粋な宇宙の美を現そうとしています。
 ミクストメディアで描かれた銭谷嘉康さんの2009年の作「祈り」は、無限の彼方から届く光を心のかたちにしようと重層的な描き方をしています。
 その他、木口木版の斉藤修さん、銅版画の加藤昌男さん、銅版画とパステルの とくだ あきらさん、立体小作品の田部光子さんたちの独自な宇宙をめぐることの出来る、めったに遭遇しない魅力に充ちた展覧会を企画しました。



MITSUKO TABE

1933年旧台湾生まれ、1957年前衛芸術グループ「九州派」の旗揚げに参画。以後九州を拠点に半世紀近く現代美術の第一線で活躍してきた。1994年よりニューヨーク、ワシントンD.C.、パリなど各地で個展を開催してきて、日本美術の特性、歴史をふまえたメッセージのある作品を作り続けたいと思うようになったと言う。
極彩色のコラージュや石膏で作った林檎、手を張り付けたアッサンブラージュの作品は現代社会の閉塞も軋轢もおおらかに抱え込み生きる力の根源をパワフルに表現する。
元気を生む現代の美術 田部光子さんから目が離せない。


特記すべき展示作品に田部光子のオブジェがある。
小型なボックスの中にはりつめた金箔は鋭く引っかかれ、下地の朱色が見える。
手話を表す石膏の手と精巧につくられたイコン、おまけにオルゴールにはキラキラビーズがはりつめてある。
徹底した装飾性は、後退気味の社会の風潮と、衰弱気味の心に活を入れてくれる。

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