木口木版画の新たな試み 齋藤 修展
2012年 5月15日(火)〜5月27日(日)
11:00〜19:00 日祝は17:00まで 月曜休
5/19 土曜日 14:00より 齋藤修さんによる
木口木版画制作記録映像上映とギャラリートーク
木口木版画の彫り、摺り、仕上げの工程を接写した制作記録映像を
会期中会場にて上映します。
作家在廊
5/15・ 5/19・5/20・5/26・5/27
齋藤修氏は、数少ない木口木版画の第一人者であるとともに、その主題の選択や創造哲学に際立った独自性を持つ作品を生み出してきています。
このたびは宇宙の根源である原子の生成と消滅を現した作品を多色で表現する事に挑戦しました。木口木版画独自の魅力である精緻な彫りで表現するモノクロームの世界から、丹念に彫りの中に絵の具をつめ分け1版多色技法により、原始の粒子がきらめく宇宙を作りました。
木口木版画は、一本の木を横に輪切りにし、目のつんだ堅い木口面の中央部分を版の材料として使い、銅版画と同じビュランやノミで彫っていきます。
制作時間もかかり、古い樹齢の椿や柿,ツゲなどの材料の調達が難しい木口木版は制作する作家が僅かになっており、美術系大学でもこの教科がない学校も最近はあります。
こんな状況を打破するため、今回は作品展示とともに「齋藤 修木口木版制作記録 25分」を作成、貴重な齊藤氏の技術、彫り・摺り・仕上げの工程を接写し会場で観て頂きます。
また、版木や彫り道具、摺り道具などを齋藤氏より提供願い、展示いたしますのでぜひこの機会にご高覧ください。
齋藤 修氏は島根県三隅町に1946年に生まれ、30歳のころより、独学で木口木版画の制作をはじめ、素晴らしいと思える木口木版画を見つめ、研究し、克己努力と多くの作品の創造を重ねた末、4年後に日本版画協会主催、第49回版画展で初入選を果たします。
遅まきの出発でしたが1987年頃より海外における木口木版画展に招待作家として招かれ、
以後、現代日本を代表する木口木版画作家の一人として認知されています。
略歴
1946年 島根県浜田市生まれ
1977年 独学で木口木版を始める
1981年 第49回日本版画協会展初出品
1982年 日本版画協会展にて準会員推挙
1994年 第9回ソウル国際版画ビエンナーレ優秀賞
2002年 第5回高知国際版画トリエンナーレ佳作賞
文化庁特別派遣芸術家在外研修員としてパリのアトリエコントルポアンにて研修
2009年 英国木口木版画作家協会第72回展在外作家賞受賞
国内外で個展、グループ展は多数
日本版画協会会員